2015年4月25日土曜日

2015年学外卒業制作展「縁」レポート 後編その1


東京造形大学テキスタイル学科の恒例行事、南青山スパイラルで開催された2015年度学外卒業制作展「縁」の展示レポート 後編 いきます!


スパイラルホールにビッシリと埋まったテキスタイル作品。天井が高い展示空間なのでテキスタイル作品にとても合う場所です。



さあ、展示物も見て行きましょう!

アトリウム入り口を飾った妖精の暮らしたいという小さな時からの願いを、シャギーの手織りものを使って表現した作品


なんともキャッチーで愛らしいこの作品は作者の作品への愛が随所にわたって感じられるほど丁寧につくられています。

お子様人気ナンバー1な妖精さんたちでした。

「花の妖精さん」 中村美保


こちらはスクリーン枠の上で捺染を施して染められた着物作品。
この技法でしか表現できない流動的な色の流れが浴衣の形ともマッチしていてとても綺麗です。




「地の衣を身に纏う」 牛田利沙


こちらは羊毛を使用した立体作品。
無縫製でつくられた独特な形により、皮膜が失われていく過程と、儚さ、不完全な美しさが表現されています。


「脱皮破膜」 勝間田美月



棒針で編まれている貝をモチーフとしたストールの作品。
三角形のパーツを螺旋状に繋げて重ねることにより平面から立体へと変化します。
螺旋がつくるねじれにより、身に付けると首元でそれぞれ違った表情のフリルを演出します。


「Seashells」時田知奈美



和紙の原料となる楮を使用し、伝統的な紙漉きにより技法を用いた立体作品。
淡々とした繰り返し作業から生まれた和紙とは異なる魅力を持った構造体からは、迫力のスケール感とは裏腹に木漏れ日のような温かな光を感じられます。

「こもれび」 高橋育実


スクリーンプリント、捺染、着色防染、目糊防染、リトグラフなど様々な技法をふんだんに詰め込んだ布の作品。
作者自身で作成した絵本から飛び出してきた世界観を持った愉快な布からは、布を使うこと触れることの楽しさなど、テキスタイルの魅力を存分に感じられる作品です。


「しあわせのムク」 山本遥



ケミカルレ−スの技法を使い制作した首周りのアクセサリー作品。ケミカルレースとは水で溶ける布に刺繍し、後で下生地を水で洗い流すことで複雑な刺繍の布が出来上がる技法です。
繊細なレースの表情と思わず触ってみたくなる質感、そして、「お守り」としての新たなアクセサリーの提案です。


「まもりタイ」 山川さとみ


様々な織り技法を組み合わせて織っていく段階で仕上げた無縫製の巾着袋の作品。
袋の外側と内側では全く異なったデザインになっています。素材・技法にこだわり、移り変わりゆく季節の表情のように様々な質感が楽しめる袋となりました。


「四季の巾着袋」 出井啓介



こちらは院性の作品。
色糊捺染という独自の技法を研究し、染料を布上で引きづるような手法で染められています。偶然の産物のように見えるこの色の混ざり具合、染まる面積も全て計算されており、布の質感の差、奥行きのある色づかい、そして大胆な構図により、空間に色の雨を降らせています。



「境界は雨に染みた」 高橋佑佳

こちらの作品はその名も「場になる服」!
穴が空いているところから頭を出し、大人数で着ることによって、顔を見合わせて楽しく会話をするための新しい服(場)の提案です。
こたつや麻雀、ホットプレートなど場を囲む風景をモチーフにカラフルなプリントが施されています。観ているこちらも楽しくなる作品です。

「場になる服」 大石晴香



こちらは綴れ織りで織られたタペストリー作品。
繊細かつ、大胆な色使い・色の変化により作者の感情が織り目一つ一つに表現されています。近寄って見れば見るほど糸一本一本の連なりにはっとさせられます。


「empathy」 長岡さゆり



こちらはスクリーンプリントと手捺染で染められたファブリックボード作品。
紙を手でちぎって偶然できた形と布を染めるからこそできるテクスチャー、そして技法を画面上で再構成して出来上がった作品はまるで街中に佇む壁画のように圧倒的な存在感を放つ作品に仕上がりました。



「WALL」 藤山桃子

まだまだ続く展示レポート 後編その2へ続きます!!!



写真 高須賀
文章 吉本