2018年5月18日金曜日

こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション



みなさん必見、
須藤玲子先生の「こいのぼりなう!」が只今、絶賛開催中です!

今回は須藤先生とRhizomatiksの齋藤精一さんによる
スペシャルトークの様子も交えてご紹介いたします!



まずは会場いっぱいに泳ぐ319匹のこいのぼりにうっとり。。。



それぞれ異なる生地で構成されており、
319種類のテキスタイルを楽しむことができます!


近くでじっくり見る人、クッションでくつろぎ眺める人、
こいと一緒に流れに身を任せ歩く人。。。





会場にいる一人一人にゆっくりとした時間が流れます。





そして、みなさんお待ちかね、
須藤玲子先生とRhizomatiksの齋藤精一さんによる
スペシャルトークショー!


今回のトークテーマは
製品や素材、技術がいったいどこで、どのように、どんな人が作っているのかを
伝えられるもの作りをしていくことが大切なのではないか。
と、ものづくりの本質についてお話してくださいました。

須藤先生は日本各地の埋もれてしまっている地場産業に直接足を運び見つけ出し、
そこでデザイン、ディレクションを手がけたテキスタイルを世に発信されています。

そういった試みや技術に心掴まれた斎藤晴一さんは
「消えそうになっている考え方であるとか、技術とか、
なくなってしまってはいけないものを積極的に見つけに行きたい」と,
地場産業の紹介映像を制作されています。


とても素敵な映像に、みなさん見入ってしまいます!
こちらはNUNOのホームページでも見ることができます!



定員をはるかに超える来場者数で、会場はとっても賑わっていました!





会場奥には体験コーナーがあります!


 ここではこいのぼりに使われている布を実際に手に取り、
それぞれにつけられているタイトルや産地の情報を知ることができます!




こちらでは布を生産する上で用いられる道具や素材を見ることもできます!





ここではワークシートを使い、手軽にオリジナルこいのぼりの制作が楽しめます!






こいのぼりは入り口から入りぐるっと会場を一周。
色に染まって出口へと泳いでいくインスタレーションは圧巻です!




間も無く会期終了ですのでまだ見ていない方、もう一度見たい方、
ぜひ足をお運びくださいー!

日程
2018年4月11日(水)~5月28日(月)10時〜18時
毎週金曜日・土曜日、4月28日(土)~5月6日(日)は20時まで
5月26日(土)は「六本木アートナイト2018」開催にともない、22時まで開館。
入場は閉館の30分前まで

休み
火曜日
ただし、5月1日(火)は開館

料金
無料

会場
国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)




鵜飼

2018年5月9日水曜日

授業紹介 〜染め特集!〜

長かったGWも終わり、
前期の授業がさらに盛り上がって来ました!
帰省していた学生や、1週間も旅行に行っていた学生もいて、
みなさん充実していたようです。

今回は染め特集です!
1、3年生の染めの授業をご紹介します〜

こちらは1年生の初めての糸染めです! 
みんな作業着に個性がありますね〜
酸性染料を使用して、ウールを染めていきます。

糸染めは温度管理が大事です!
染料も助剤もきちんと測ります!

いざ糸を染めていきます!
思った色に染められたでしょうか・・・? 

とても真剣な眼差しです。
この色糸で、カラーサンプルを作り、今後の制作に役立てていきます!


 続いて、1年生の絞り染めの授業です。
今回は板締め絞りという技法にチャレンジします。
これは、様々な形に折りたたんだ生地を板で圧力をかけて、
防染してパターンを出していきます。

どんなものになるのか、1年生にとってはまだまだ未知です・・・
この授業では絞り染めか板締めで浴衣を1反染めあげていきます。
とてもシンプルな技法ですが、とにかく根気が必要です!
みんな最後まで頑張ってほしいです!

こちらは3年生の色糊捺染という東京造形大学の特徴的な授業です。
この授業は、昨年度まで助手をしていた吉本悠美さんが、
今年度から非常勤講師になり、初めての授業です!

糊に染料を混ぜて、布に直接、柄をかいていきます。
染料の段階ではどんな色に染め上がるのか、全然予想ができないです・・・

柄をかく道具によっても布の表情が変わります。

3年生では、1、2年生のときに学んだことから、染めと織りに分かれ、
各々の専攻でさらに発展的なことを学びます。
学期末にどのような作品を見ることができるのか!とても楽しみです。


岸本


2018年5月1日火曜日

楮覚郎さんの藍染物語

 Buaisou.のワークショップ会場で。右から:楮覚郎さん、須藤玲子先生、渡邊健太さん(2017.4 東京・中目黒)

楮覚郎かじかくおさん
楮さんは、東京造形大学テキスタイルデザイン専攻の卒業生です。
2011年3月の卒業で、震災のために卒業式はありませんでした。
青森・八戸出身の楮さんの実家に大きな被害はなかったものの、お祖母さんの海辺の小屋が流れてしまったという話を記憶しています。


卒業制作
彼の卒業制作は大作でした。

 彫刻専攻の学生との共同出品で、左が楮さんの作品「毒と薬」(H193×W143×D90㎝/木、サイザル麻、柿渋)

柿渋で染めた1本の麻ロープを大きな箱の穴にひたすら通し続けた力作は、織物の構造が端的に表されていていながらも、織ることを拒否した作品ということもできます。また、制作にかけた膨大な時間は、“つくる”ということへの根本的な問いかけだったのかもしれません。


貝紫染
卒制ではアートな作品を制作した楮さんでしたが、彼は入学した時から藍染をやると決めていたようです。
学生の時も、一貫して天然染料にこだわっていました。
例えば、3年生のときに自主的に研究した貝紫染があります。

そのレポートによれば・・・雑誌の古本で見つけた貝紫の小さな記事に惹かれ、ちょうどその頃に「奇跡が起こった」。つまり、授業で八王子の産業センターに行くと、偶然、そこに貝紫の記事を書いた染織家がいて、貝紫染めをやりたいという気持ちを伝えると、後日、ご自宅で教わることができた・・・というのです。
さっそく自分で貝紫染に挑戦です。しかし、大量に必要とする貝の入手先を先生から教えてもらうことができなかったので、自力で探すことになりました。新潟漁連、富山漁連と電話して、石川漁連で1つの水産業者を紹介してもらいます。
そして、36kgの貝が届きました。

アカニシ貝(レポートの写真から)
染料の取り出し(レポートの写真から)

早朝から貝を砕く作業を始め、砕いた貝から取り出したパープル腺を容器に集め、日光の紫外線で紫色に変わったものが染料の基。教わった直説法ではなく、あえて還元法に挑みました。
レポートの最後には、「骨の折れる作業、強烈な悪臭などから、2度とやるものかと思うのが正常な人だと思う」とあります。

貝紫で絹糸を染め、見事なタペストリーが織り上がりました。

(右:楮さん3年次の課題作品/2009年第33回ZOB展会場で)


Buaisou. https://www.facebook.com/buaisou.i/
(冒頭の写真をはじめ、写真の多くをBuaisou.のFacebookから拝借しました)
楮さんは卒業後、初志貫徹すべく都内の工房で研修生として藍染に携わり、そこで藍染のふる里ともいうべき徳島県板野郡上板町の地域おこし協力隊募集を知り、2012年に上板町に移住。同じ協力隊の渡邊健太さんと知り合い、3年間の協力隊を終えた2015年、その間に知り合った2人を加えて4人でBuaisou.を立ち上げました。


右から:楮覚郎さん、三浦佑也さん、結城研さん、渡邊健太さん

上板町に畑を借り、牛舎をアトリエに改造。
Buaisou.は、藍を植え、育て、刈り取り、蒅を作り、蒅で藍を建て、糸を染め、布を染め、バッグを作り、シャツを作る。藍染の始めから最後まで、全てを自分たちでやってしまう一貫した藍の工房です。また、木を染め靴を染め、藍染の可能性を押し広げる挑戦者でもあります。





この糸は、Buaisou.オリジナルのジーンズのために染められた糸です。半年かけて、6回染めた糸が800かせ。織りあがったデニムを楮さんが縫製。



3月に南青山・スパイラルで開催された「THREE TONES」に来場した楮さん。手にしているのがBuaisou.オリジナルのジーンズ。
楮さんは、この後渡米。


リーバイス本社で、リーバイス史上初という藍染のワークショップを行い、さらに、資料室でジーンズの初期の貴重な資料を見せていただいたそうです。
世界が、徳島のBuaisou.に目を向けています。




テレビに取り上げられた楮さん。


学生時代から一貫して追いかけてきた藍染の世界。本物を手にするために上板町に移り住み、全てを自ら行うことで得た誰にもできない藍染の新世界が、世界へと羽ばたき始めています。

かっこいいなっ!!!
学生の皆さん、後に続きましょう!!!


(UPO)